加齢によるフレイルによって、心や体に衰えを感じることはありませんか。今回は、フレイル予防対策を中心にご紹介します。健康長寿を目指すヒントにしていただければと思います。
フレイルは、加齢に伴い心身に老いを感じ始めた状態を示します。健康な状態からフレイル状態へ進み、やがては要介護状態になると考えられていますが、早くフレイル対策を行うことで、健康な状態を取り戻すことも期待できます。
フレイルの基準はさまざまありますが、大きなサインとなるのが年間4.5kgまたは5%以上の意図しない体重減少がみられる場合です。その他、歩くスピードが遅くなったり、疲れやすくなったりといった体力の低下が顕著な場合も要注意。また、さまざまなことへの興味が薄れ、気力の低下といった心の変化も、フレイルのサインとなることがあります。
フレイル予防には、「栄養」「運動」「社会」といった3つの方向からアプローチすることが、改善につながります。まずは、日常でできることから始めてみませんか。
(1)栄養の改善
低栄養にならないよう、3食をしっかりと食べることが大切です。特に体重が減ってきた方は、メタボ予防からフレイル予防へと意識を変えて、食事内容を充実させましょう。
また、いつまでも食事を楽しめるように、口腔ケアにも気を配りたいもの。食が細くなっている方は、たんぱく質不足を防ぐためにも牛乳、ヨーグルト、プロテイン、ゆで卵などで、栄養価の高い間食をとるのもおすすめです。
(2)運動の習慣
ウォーキングや散歩、ストレッチ、ヨガなどの手軽に始められる運動を習慣づけることも、フレイル予防に効果的です。少しずつ体力がついてきたら、いつもより10分長く歩く、運動の回数を週に1回から2回に増やすなど、レベルアップを目指してみましょう。
その他、音楽や旅行など新たな趣味を持つことも有効です。
(3)社会とのつながり
フレイルは、精神面の関わりも深いとされています。趣味やボランティア、食事会、仕事、学びなど、人とのつながりを持てる機会を増やし、社会との関わりを持つことが予防につながります。特に、気の合う人たちと食事を共にすることは食欲も増進され、着実なフレイル予防となります。
体力の低下以外にも、感情がコントロールできない、やる気が起きない、など普段との違いに早めに気づくことが予防のポイントとなります。
本人だけでなく周囲がフレイル状態に気づいたら、生活スタイルの改善を促し、健常の状態を目指しましょう。
ご自身の健康に着目すること、早めのフレイル予防を行うことで、いつまでも元気な毎日をお過ごしください。
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