令和7年地価公示の結果と、土地の相続税評価額との関係について教えてください。
令和7年の「地価公示」が発表されたというニュースを見ました。今回の地価公示の結果の特徴について教えてください。また、今回の地価公示の結果と土地の相続税評価額との関係は、どのようになっているのでしょうか?
今回の地価公示では、全国平均で全用途の地価が4年連続で上昇し、上昇幅が拡大しました。詳しい内容と土地の相続税評価額との関係は、詳細解説をご参照ください。
東京、名古屋、大阪の三大都市圏をみると、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇し、上昇幅が拡大しました。名古屋圏では上昇幅がやや縮小しましたが、東京圏及び大阪圏では拡大傾向が継続しています。
地方圏でも、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇しました。札幌市、仙台市、広島市、福岡市の地方四市では上昇幅がやや縮小しましたが、その他の地域では概ね拡大傾向が継続しています。
令和7年の地価公示の傾向は、次のとおりです。
低金利環境の継続により住宅需要が堅調で、特に東京圏や大阪圏の中心部で地価が高く上昇しています。主要都市では店舗やホテル、オフィスの需要が堅調で、駅周辺などマンション需要との競合が見られる地域や観光客が増加した観光地、再開発事業等が進展している地域で地価が上昇しています。
また、大手半導体メーカーの工場が進出している地域では、関連企業も含めた従業員向けの住宅需要や関連企業の工場用地等の需要が旺盛です。好調なeコマース市場による大型物流施設用地等に対する需要の影響で、工業地の地価も上昇しています。
このように、全国的に地価が上昇基調にあります。特に三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも堅調な上昇が続いています。一方、令和6年能登半島地震などにより、大きな被害を受けた地域では地価が大きく下落しています。
次に、今回の地価公示の結果と土地の相続税評価額との関係について見てみましょう。
地価公示価格は相続税評価の基準となります。相続税や贈与税の申告には、一般的に路線価(相続税路線価)が用いられますが、相続税路線価は地価公示価格の80%程度で評価され、その均衡化・適正化が図られています。地価公示価格と相続税路線価は毎年1月1日が評価の基準日ですが、地価公示の発表は例年3月下旬(今年は3月19日)、相続税路線価の発表は例年7月初旬となっており、時間差があります。
令和7年の地価公示で地価の上昇が公表された地域については、7月に公表される相続税路線価に影響を及ぼすことが考えられ、地価が上昇した地域では、結果として相続税評価額が上昇すると予想されます。
土地を保有されている方は将来の相続を見据え、このまま保有すべきか、地価上昇を機に売却して他の資産に替える、あるいは他の土地への買換えなどの検討をされるとよいでしょう。
将来の相続について不安がある方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
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